__________________________________________________________________________________________________________________________________________「アンコーラ?おかわりは?」お皿をさげようとするとこんな言葉もどこからか聞こえてくる。そんな時は「バスタ グラッチェ!」という一言を添えるのをお忘れなく。
それでもどうして?と聞かれた時は「マンジャート トロッポ もうお腹一杯」と付け加えよう。

甘い物は別腹と良く言うが、イタリアのデザートは本当に美味しい。トルテやジェラート、フルーツに砂糖をかけただけのものなど、実に素朴でシンプルなものが多い。ゲストが来ている時やレストランなどではdolce一品とフルーツ両方が並ぶ。また家庭ではレーズンやくるみの入った美味しいチョコレートやビスコッティーなどを食後にみんなでバリバリと食べたり、時には末っ子のマルコがジェラートを買いに行かされたりもしていた。あと家庭でおきまりなのが、山盛りになっている籠から自分の好きなフルーツを選んでそれぞれ机上で皮を剥いて食べるスタイル。マルコはいつも私とマンマの分を取ってきてくれる。彼は何かと皆から頼まれ働かされる。「大人になったと認めるまでは全員そうさせているよ。」とパパが言っていた。しかし一生懸命働いているにもかかわらず、食事中からかいの的にもなってしまうのも彼で、少し気の毒な末っ子ちゃん。そんなマルコも高校生のお兄ちゃんリカルドもいつも器用に果物を剥いていて感心するが、もっと感心するのは80歳を過ぎたノンノ(おじいちゃん)熟れ過ぎた柔らかい梨もノンノにかかればお手のもの。子供達も剥きにくいところはノンノに手伝ってもらっていた。その時のノンノの手さばきを子供達は尊敬の眼差しで見ていたのが何とも印象的。残念だが日本では見られなくなってしまった光景である。

(写真右から)ノンノ(おじいちゃん)、大食感の末っ子マルコ、イタリアッ子なのに食の細い次男リカルド、現在一人暮らし中のエレナ(彼女の料理の腕も相当なもの)

食事の締めは勿論カッフェ。ラテやカプチーノは朝のみで食後は必ずエスプレッソだった。カップに注ぎ終えると「ズッケロ?砂糖は?」と聞かれる。あらかじめ砂糖を入れてからテーブルに運んでくれるのだ。イタリア人は甘い物が大好き。皆の答えはだいたい「トレ!3倍」その量に驚いてしまう。最初は砂糖なしで飲んでいたのだが、あまりにも皆が見て驚くので一度甘くして飲んでみたら病みつきになってしまった。とは言ってもウノ(1杯)が限度。しかし自分で入れた事は一度もない。家ではマンマ、バールなどではいつもパパが入れてくれていた。
__________________________________

   →
pre  home next