寒さを回避して向かったのは教会近くのこじんまりしたBAR(バール)
立ったままエスプレッソをすする 
マンマの妹(花嫁の母)は娘の結婚式だというのにまったく普段調子という感じでユーモラス
知り合いと会う度に普通にぺらぺらおしゃべり イタリア人はホントにおしゃべりが大好きだ
あったまったところで教会へ戻ると、やっと新郎新婦がでてきた 
みんなすごい歓声と勢いで取り囲むので残念ながら見えなかった
みんなの歓声はいっこうに止まない 花嫁のノンナ(おばあちゃん)もとっても嬉しそう
すっかり日も暮れ披露宴へ マンマの職場でもあるリストランテが会場
白亜の大きな建物で、とっても美しい中庭がついている
その中庭を眺めながらの立食パーティーがテラスで行なわれていた
みんなカクテルやワインを飲みながら自由に食べ物を取っていく
フルーツの串刺しやチーズ各種、目にも美しい軽めのスナックが並ぶ
パパはいそいそとあれこれ持ってきてくれたが、寒いのであまり食べられない
紙コップに入ったズッキーニのフライが揚げたてでおいしかったが、一口でギブアップ
夜になりますます突風が吹き荒れる
寒い!寒すぎて感覚がなくなってきたのでトイレへ避難する
しかし何食わぬ顔で談笑や食事を楽しむイタリア人 たくましすぎる
7時頃ようやく大音量のバンド演奏が鳴り響く会場内へ入ることが出来た
外から見るよりか遥かに広く、聞くと出席者は180人もいるのだそう
新郎新婦の入場も全然畏まった感じはない 花嫁はやたらと手を振って大サービス

乾杯して待つ事30分 
ようやく最初の料理生ハムののったパイナップルが半分サイズでやってきた
見た目で満腹中枢が刺激されそうなボリューム 後の料理の為半分以上残す事にした

食間の長さにびっくり 延々とおしゃべりタイムが続く 
ワタシの満腹中枢はどんどん刺激されていく

30分程経ってようやく次の料理
ラビオリミケランジェロ(オレンジ風味のクリームソース)が運ばれる
信じられない程美味しい 今回の滞在で最も感動した料理のひとつだ 難なくたいらげた

またまた30分程経って3品目のズッキーニとズッキーニの花のリゾットがやってきた
すごくおいしかったのだが、チーズが思いのほか濃厚で結局半分以上残してしまう

残念ながらここで私のお腹は打ち止めとなってしまった 
みんな口に合わなかったか心配してくれるがそうではない 
美味しいのにどう頑張っても無理なのだ
この後サラダ、コロッケ、鶏肉のグリル、牛肉のステーキと続いたのにワタシとしたことが。。。
日本人の中ではかなり食べれる方だと自負しているが、
イタリア人にはちっともかなわなかった

披露宴は取り立てて何がある訳でもなく、ひたすらおしゃべり 
たまにバンドにあわせて口ずさむくらい
席を移動しては違う相手としゃべっていく ワタシも何時の間にかいろんな所へ移動して
気が付けば会ったばかりの何十人もの人と会話していた 日本では有り得ない事だ

夜中になるとさすがにみんなの顔に疲れが見え始めた あくびをこらえて頑張る人々
もう耐久レース状態 始まってからとうに5時間は経っている
ここで照明が落ち、フリザンテ(スパークリングワイン)が振舞われ
新郎新婦が再入場してダンスを踊りだす ようやく披露宴ぽい感じになってきた
dolceのトルテとフルーツが運ばれたのが午前1時すぎ 
この時間には我が胃腸もすっかり復活し、難なく食べる事ができた
おひらきになってからも花嫁にプレゼントを渡したり、
また立ち話をしたりで結局2時ごろまで会場にいた
楽しい夜はいつまでも離れがたい感じでふけていったのだった・・・
あくる日花嫁の家へ招かれ、前の日の残りのオードブルなど軽めの食事でおもてなしを受けた
奥の部屋に案内されるとそこには皆からの結婚祝いとカードがぎっしり飾ってあった
主にキッチン用品なところはさすがイタリア 他にもインテリア用品やお花などが所狭しと並んでいた
その品々を眺めながら、昔の花嫁のシャシンを見せてもらったりしながら
コンフェッティ(おめでたい時に食べるレーズンの入った砂糖菓子)を食べていたその時
娘さんの幸せを願うお母さんの言葉に思わずぐっと来てしまった
式での様子とはうってかわって少し淋しそうな顔をして、マンマに励ましてもらったりもしていた

後からしみじみ・・・これもまた陽気なイタリアの結婚の裏側に隠された事実なのだ

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